多幸のウェディングロングベール 〜花嫁さまとの物語〜

多幸のロングベール〜花嫁様との物語〜 沖縄県竹富島にある星のや竹富島で挙式をされた花嫁様のためにお作りした刺繍のロングベール。 その誕生エピソードを書きました。
この記事は約5分で読めます。

2020年10月。
コロナの状況がまだ何とも言えない時に、私はウェディングアイテムのレンタルサービスPageBlancheを立ち上げました。

このタイミングになったのは たまたまで、ゆっくり育てていくつもりで始めました。

いつかコロナが落ち着くか、ニューノーマルな生活が定着してくれば、結婚式も形は変わっても必ず何かしらの形で執り行われるようになるだろうという考えです。

そんな未来を思い描きながら作品をコツコツ作り、大切な挙式の日にPageBlancheのサービスを選んでくださった花嫁さまをお手伝いしながらやっています。

先月、そんなまだ数少ないお手伝いをさせていただいた花嫁さまが、無事によき日を迎えられました。

お作りしたのは2mを超えるロングベール。
初めて作ったロングベールです。

オーダーレンタルをきっかけにうまれた、ロングベール

今回は、オープン時に少数募集をした「オーダーレンタル」でご注文いただいたベールです。
オーダーレンタルは、花嫁さまのご希望でオーダーメイドでお作りし、お式で使っていただいたのちに返却していただくというサービス。

ご利用いただいた花嫁さまはそのアイテムの1stオーナーになられて、できた作品は未来の花嫁さまたちに受け継がれていく…。
個人的に、この「幸せが循環する」感じがたまらなく好きなのです。

オーダーレンタルの構想は、私自身が結婚式でオーダーしたドレスを、1回きりでしまい込んでしまっていることが寂しかったため。

所有できれば必ずしもハッピーとも限らず、それなら誰かの役に立てる方が嬉しい場合もあるなと考えたことがきっかけです。

そして、私自身が「オーダー」という形で花嫁様から「お題」をいただくと、思いもよらない良いものが作れるという感覚もあります。

花嫁様からオーダーいただいたロングベールも、私1人の頭で考えたら「もっとアイテムが増えてからにしよっかな、生地長そうだしね」(発想が…w)となっていたところでした。

オーダーいただいて、当日のドレスや会場・雰囲気を伺ううちに、
「いや、これは確かにロングベールだろう!」と私も興奮気味になり「作ります!」と高らかに宣言した記憶があります。

確かに生地は長かったですが(笑)結果的に作ってみて、本当に本当に本当に!!良かった。

自画自賛で申し訳ないのですが、最高に素敵なベールになりました。
華やかなロングベールは、その分時間はかかります。

でも、その分の素敵さが・・・おっと、このくらいにしましょう。笑

竹富島でお式をされるとのことで、竹富島や会場についてもいろいろリサーチ。

珊瑚が隆起してできた島であること、がじゅまるの木には赤い実がなることを学びました。
ベールと共につけるヘッドアクセサリーにはガジュマルをイメージしたモチーフ+珊瑚の赤いビーズをワンポイントに付けました。

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このビーズもサイズを2種類で比較して決めました。2mmの差で印象が全く違います。

※ちなみにガジュマルの花は、実の中に隠れて見えないそうです…!

ベールは「原生林」をイメージし、多様な植物が生きる竹富島の風景に馴染む生命力あふれる美しい自然をテーマにデザインしました。
さまざまな葉のレースと、手刺繍で作った大輪たちをひとつひとつ手でぎっしり縫い付けました。

そのため、このベールの名前は“Native Forest”=原生林です。

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後日、花嫁さまから当日のお写真をいただき、掲載もご快諾いただきました。
(ありがとうございます涙)

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場所は竹富島。
「星のや竹富島」でお式を結ばれ、挙式は”がじゅまるの木”がお二人と参列者のみなさまを見守っていたそうです。

素敵…。

すっきりとしたシルエットのマーメイドドレスに、ロングベール。
私がオーダーをいただいてから毎日制作しながら妄想していた風景が、そこにはありました。

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小物の撮影にもお使いいただき、こういう使い方もあるのか!
と新たな発見でした!そしてアイテムが全部素敵、おしゃれ(語彙力)!

花嫁様は途中経過のご連絡の際はもちろん、お式の後にもたくさんの嬉しいメッセージをくださいました。

しかも、忙しいスケジュールの中で、私にも竹富島のお土産とお手紙を送ってくださり…もうこれ以上話したら泣きそうです。

沖縄の焼き物、最高に可愛いです。やちむんですね!焼き物好きにはたまらない。
(実は1年だけ沖縄に住んでいたことがあります。懐かしい…)

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まとめとお知らせ

「これからの花嫁様に愛されるベールになってほしい」


そういって、大切なお写真もたくさん送ってくださった花嫁さま。
その想いを受けながら、メンテナンスをしたロングベール”Native Forest”のレンタルを開始しました。

▶︎Native Forestの詳細はこちら◀︎

このウェディングレンタルサービスのPageBlancheの裏イメージは、
「結婚する娘のために、花嫁衣装を仕立てる母」
どんな裏コンセプトかと言われそうですが、至って真面目です。

そのくらい寄り添うことができるのが理想。

プランナーさんのようにお式の全てに関わるわけではないのですが、かといってただモノを送って事務的なやり取りがしたいわけでもなくて。

お式の準備が100あるとしたら、そのうちの1でもいいので何かしらお役に立ちつつ心に寄り添える存在でありたいなと思います。


「結婚式準備、大変だったけど楽しかったなぁ。そういえば、やたら熱めの刺繍の人いたなぁ…」レベルで将来思い出していただければ嬉しいです 笑

そう思わせてくれるのは、これまでPageBlancheを選んでくださった花嫁さまたち。

生まれたてのPageBlancheにお声がけいただきありがとうございました。それが何よりの私の力になっています。本当に、綺麗事でなく。

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございます。
花嫁さまとエピソードを、ちょっとずつこうやって記事にしています。

こんな感じの文章でよろしければ、ぜひ他の記事も楽しんでいただけますと幸いです。

acoco

追記:どこにも書いてなかった、タイトルの「多幸」の意味。
がじゅまるの木は、沖縄の人たちに「多幸の木」として愛されてきたそうです。精霊が宿る木なんです。