白藤ベールを刺繍した時のおはなし

白藤ベールを刺繍した時のおはなし メイキング
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映画などのメイキング映像を見るのは好きですか?

そのものが作られていく光景や作り手の熱量が伝わると、
何気なく見ていたその作品の魅力が何割増しにもなるので、
私は機会があれば好きなモノのメイキングはチェックするようにしています。

そんな私ですが、これまで自分の作ったモノに関するメイキングは、ちゃんとお見せしてこなかったなと気づきました。

厳密にはInstagramなどで小出しにしていたのですが、
Instagramはどんどん古い情報は流れていってしまうSNS。

ストックできる場所でちゃんと出そう
そう思ったので、私がこれまで作ったものやこれから作るものをちょっとずつこのブログに書き留めていくことにしました。

今日の主役はウェディングレンタルサービスPage Blancheでお出ししている刺繍ベール「Shirafuji」
その名の通り、白藤が刺繍されたPageBlanche最初の刺繍ベールです。

Shirafujiを作ろうと思ったきっかけ

そもそも、私がウェディングのお仕事に入っていったのはいくつか理由があって、ひとつは純粋にウェディングが大好きだったこと。もう1つは、刺繍との親和性が高いと感じたからです。

中高生の頃からウェディングにまつわるものが好きで、彼氏すらいないのに本屋さんでウェディングの本を立ち読みしたり購入したりしていました 笑

えもい。。。

就活も実はブライダル業界も少しは見ていました。

ただ、とある会社の集団面接に行ったところ、
他の就活生の子達が美人で背もすらっと高い子達ばかり。(なぜ)

身長150cmかつ、道に迷って、冷や汗で会場にたどり着いた私は完全に萎縮 笑

今更美人にはなれないし、身長だって伸ばせない。
余裕持って最寄駅についても迷うと言うことはもうこれは…


「ああ、私には縁のない世界なのかも」と、当時の豆腐メンタルな私は速攻で諦めました。
(その頃からすると絹豆腐から木綿豆腐くらいにはなれたかも。高野豆腐メンタルを目指します)

ちなみに、この日に先に面接を終えた就活生の子に話しかけられて、
「同じ大学ですよね!チアやってますよね?いつもみてました!」と言っていただき、「え、こんな美人さんが私をみててくれたの?!」と衝撃でした。あの方はお元気だろうか。。

おっと、大幅に脱線しました。

話を戻すと、そんなこんなで時を経て刺繍をやるようになり、
ふとした時に「あれ、これ憧れのウェディングに関われるんじゃない?」というウェディング好きの心がむくむくと湧いてきました。

そうして始まったウェディングプロジェクト。

その第一弾で生まれたのがこのShirafujiです。

デザインのインスピレーションは、以前訪れたあしかがフラワーパークの藤棚。

花嫁様を神秘的に包み込むようなデザインかつ、
PageBlancheを象徴するようなものにしたい。

そう考えて、ベールの全面に藤の花を刺繍することに決めました。

ちなみに、以前書いた藤の花の花言葉についての記事が、どういうわけかよく読まれるのでこちらにもシェアしておきます。(鬼滅効果だと勝手に思っています)

デザインと制作について

柔らかいチュールに直に刺繍をしていくことに決めたのですが、生地が柔らかすぎて下書きをしにくく、刺繍はフリーハンドですることにしました。

元になる藤の図案を基準に、長さや流れる向きに変化をつけていきます。
ベールの生地自体には長さと向きの目安になる印だけをつけて、図案をよく見ながら針を進めました。

使った糸は艶感が美しい、京都の絹糸。


チュールに刺繍をするのは初めてで、目が荒いので力加減には神経を使いました。。
正直「もう滅多なことではチュールに直接刺繍をしようなんて思うものか」と途中後悔もしつつ 笑、それでも藤が1本、2本と増えていくとそれが何とも美しくて。

絹糸の刺繍が一通り終わると、刺繍生地が出来上がったようでした。

でも、ここでは終わりません。
花びらの中に、今度はビーズを刺繍していきます。

ギラギラしたものにはしたくなかったので、クリアなビーズで。
かつ、蔦になっている部分には極小のシルバービーズを仕込みました。

地味すぎず、派手すぎず。
白藤らしい奥ゆかしさや上品さを出すことがこの制作でのミッションでした。

慎重に針を進めて、ようやく白藤の刺繍が出来上がり!

コームはクリアのものを使いました。
厚みのあるコームで、ベールアップするとふわっと重なります。

最後に端をきれいに切りそろえ、スチームできれいに整えたら完成です!

かれこれ15時間くらいかかったでしょうか、いやもっとかな。
夢中になりすぎて時間をちゃんと計測しておらず、正確な制作時間は不明ですが、慎重に進めた分それなりにかかりましたね。。

そんな制作の様子を、何と5分弱に収めたのがこちらの動画。

やはり動画はよりその時の様子も伝わると思ったので、ぜひ眺めていただけますと幸いです。

他のアイテムが全然動画を撮っていないのですよね、まだ制作しながら動画を撮るという動きが要領得ず…。

も最近はiPhoneでも全然きれいに撮れることがわかったので、これからはちゃんと動画も残していこうかなと思っています。

acoco
acoco

PCとiPhoneのストレージ対策しなくちゃ。。

さて、このPageBlanche最初の刺繍ベールは、PageBlancheのOPENすぐに花嫁さまからレンタルのご注文をいただきました。

ありがとうございます!感涙

白藤ベールは今もレンタルベールとして、次の幸せな花嫁様との出逢いを心待ちにしています。

▶︎PageBlancheのアトリエはこちら◀︎

やはり、実際に身につけていただいて初めて完成するなと、この時思いました。

お写真を拝見して、目頭が熱くなりました(内緒)

完成した時の達成感もひとしおでしたが、着用いただいたお写真を拝見した時の感覚はそれ以上でした。

ものすごく貴重な経験となりましたし、この感覚を思い出すとまた頑張ろうと思えます。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。

ご覧いただいたお礼といっては何ですが、Shirafuji制作時のデザインノートをちらっと…。

思いついた瞬間に目の前にある紙とかに書き出しちゃうので、デザインノートにまとめるときは貼り付けることも多いです笑

引き続きこんな感じで刺繍活動にまつわるエピソードをお届けしたいと思います。

また覗きにきてくださると嬉しいです!

acocoより